秋の醍醐味と恒例の薪割り
おやおや。なんの影だろうと振り返ってみるとそこには…
軒先に干された干し柿が。他の乾燥食品と同様に古くは冬の保存食であり、秋口になると民家の軒先によく見受けられますよね。
おすそ分けして頂き、実食しました。今までに食べたことがないほど糖度が高く、肉体労働の後の休憩には染み渡りました。
(夏のアトリエから庭を見た時の景色)
大物の欅は重く、ヘトヘトになりながらもなんとか薪割り機の上に載せ、細かくしていきました。
途中、両断する刃に挟まってしまい、抜けなくなることも多々ありましたが、後半は慣れスムーズに割ることができました。
まだまだ、今年度中に割ることになりそうなのでまずは満杯になってしまった薪を事務所に運ぼうと思います。
事務所「作楽」の板塀塗装
こちらの写真は13年前に撮影された改修後の作楽の外観です。
明るい木の色と真っ白な漆喰壁が真夏の青空の下で映えています。
その翌年には色合いが落ち着き変化しています。
もともとのクリア塗装にさらに色の塗装を塗足していたようです。
9年前の作楽全景です。優しい落ち着いた風合いは4年経った年月とメンテナンスから生まれました。
そして9年後の今年。
先日の土日に社長とスタッフ3人の計4人で板塀の塗装を行いました。
まず、9年分の蓄積された表面の汚れやカビをやすりを使って落としていきました。この下地処理の工程を入念に行うことで、木部の表面に塗料が染み込みやすくなります。
想像以上の時間と体力を奪われました。
色の違いは歴然です。
ブロアーで風を送り、やすった削りカスを吹き飛ばしていきます。
水を掛け、たわしを使って丸洗いしていきます。
こすり洗いを行うことでカビがきれいに落ちました。
塗料はグレー系のトーンが低い色味のものです。抜群の浸透性で、木目を際立たせる仕上がりが美しく、ごく薄い塗膜が木肌の感触を生かしています。
塗装完成です。年月とともに何度も表情を変える作楽は、少しの手を掛けることによってまた生まれ変わりました。
ぜひ事務所にお立ち寄りの際には眺めていってください。
道具のメンテナンス
朝夕の気温が少しづつ下がり始め、田んぼの稲穂は秋の日差しに照らされ黄金色に変わり始めてきましたね。
季節はあれよあれよと過ぎもうすぐ今年も終わりが近づいてきました。
この時期済ませておきたい「草刈り」
今日は会長の指導の下、草刈り機の使い方、メンテナンスを教わりました。
まずは、刃の交換の仕方。
次に燃料の補充方法。ちなみに本日補充した燃料は会長の奥様が調合した混合油でした。
ホームセンターにも調合済のものは売っているそうですが、調合する際はガソリン:エンジンオイル(=50:1)の割合で混ぜ合わせるそうです。
最後に刈るときのコツを教わりました。刃がすぐにダメにならないような刈り方や、刈り取った草の置場など細かいコツを教わりました。
早速、午後一時間程度で事務所の裏の空き地はきれいに刈り取られました。
今後大事に使い続けていくにも道具のメンテナンスは大切です。
道具のことをよく理解してを丁寧に扱い管理していくことは、どの分野にも共通していることです。
忘れずに心がけていきたいと思いました。
思いがけない手紙
思いがけないお手紙を頂きました。
実は、東中学校の学生より教育委員会を通して調査協力依頼を受けていました。
調査協力依頼の内容は校舎の耐震強度や、地震対策の工法、建築基準、配置計画などの質問に答える事でした。
学生たちが自らの学び舎に関心を持ち、調べ、改めて考えてみることで、学び舎は日常のありふれた教材となります。
今回、調査を行ったきっかけによって学生たちに誇りを持って頂けたことは我々も大変うれしく思います。
今後も興味を持ったことについて徹底的に学び、将来その学びを活かせるように成長していって欲しいと心より願っております。
夏のアトリエ板塀設置
梅雨はいつの間にか過ぎてしまったのか、ここ最近は夏の気温が続いていますね。
会長は本日も暑い日差しの中、ご自身でアトリエ脇の板塀の支柱を設置されていました。
支柱の基礎となるコンクリートの練り混ぜから始まり、型枠の組立、支柱を固定するあて木の打ち付け、一本一本の精度を出す手間を惜しみません。
垂直・水平を意識することはもちろんのこと、支柱の並びには水糸を張りズレを修正しています。
徐々に外構廻りも出来上がりつつあります。
蜜蝋ワックスづくりと塗装
会長は長年にわたって、日本ミツバチを飼育し百花蜜の蜂蜜を毎年採取されています。
日本ミツバチは重箱式の段に積み重なった木の箱で飼育され、複数の花の蜜を採取してくるそうです。
味は、花粉も多く含んでいるため、濃厚で熟成されたような、やわらかい酸味などが感じられる蜂蜜になるようです。
取り出した蜂の巣の写真です。
蜜蝋は、ミツバチが巣を作る材料として、働き蜂の腹部にある分泌腺から分泌するロウのことです。
ろうそくやワックス、クレヨン、保湿効果があるためハンドクリームや化粧品、様々なところで使われています。
今回会長が蜜蝋を加工し、木材の塗装に使う「蜜蝋ワックス」をつくってくださいました。
会長宅のダイニングテーブルは塗装済で、木のイキイキとした表情が伺えます。
実際の加工工程を見せてくださいました。
材料はアマニ油を用いています。アマニ油320gを惜しみなく蜜蝋に注ぎ溶かしていきます。蜜蝋の量は1.5倍の480g。
蜜蝋を溶かしやすくするために細かく刻みます。
65°の温度を保ったまま湯煎に掛けます。
完全に溶け合うまでひたすらに混ぜます。
湯煎のお湯は次第にぬるくなるので、調整し注ぎ足します。
蜂蜜と見間違えるほどの黄金色です。
缶や瓶につめ完成です。
「蜜蝋ワックス」をさっそく事務所に持ち帰って、木材にスタッフ全員で塗装します。
まず乾拭きし、表面の汚れやごみを落とします。
ワックスをしみこませた布でなでるように表面を塗装していきます。
最後は、乾いた布で油分をふき取ります。
before/
after/
表面のつや感が増しています。木材は自然素材で経年により表情が変化していきます。
その変化を楽しみつつメンテナンスして使い続けていくことでより愛着がわき、大事にしていくのですね。
不思議なことに、世界の理なのでしょうか。
木や植物の蜜を運ぶハチから生まれた蜜蝋。
それを人間の手によって加工し、また手間をかけ木の表面に塗ると木は輝きを増します。
形は違えど、元に還る。循環していく。
建築を学ぶ上で大切な木の性質についての知識が増え、自然界における循環についてもハチさんから学ばせていただきました。